旅の想い出・北海道編 イラスト
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北海道の基礎知識
このページでは、北海道を旅するのに知ってて便利な基礎情報を紹介します。

−INDEX−
 北海道の有名なポイント  支庁制度
 冬の北海道の寒さ  くまさん
 キタキツネ  エゾジカ
 北海道と交通事故  冬道の運転
 北海道テレビ事情  内地って?

1999年11月16日公開
2000年11月20日更新

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北海道の有名なポイント
 「北海道」と言われたらあなたは何を想像しますか?
 札幌、小樽、函館などの都市を想像する人、美瑛・富良野のような美しい丘陵を想像される方、地平線の彼方まで広がる大地を想像される方、いろいろでしょう。
 ところで、それらの場所が北海道のどのへんにあるのか、きちんと理解されていますか?
 右の地図は北海道内の有名な観光ポイントの場所を示しています。ちょっと地図がカラフルですが、その理由は次を読めばわかります。
 このページは右の地図くらいの地理感覚がないと見にくいかもしれません。これから北海道に行かれる方も、自分の行く場所くらい押さえておきましょう。旅の面白さが全然違うと思いますよ。

支庁制度
 あなたが北海道に来ました。観光にはもちろんお天気予報は欠かせませんよね。ホテルで天気予報を見ました。さて、わかりますか?
 たとえばあなたが函館にいるとします。函館の場所がちゃんとわかれば問題ないです。でも天気予報では多くの場合「函館の天気は・・・」なんて言いません。さてどうしましょう。
 実は北海道のお天気は、「支庁」という行政単位を基本とした予報が流されています。概ね右の図のような地図をもとに予報がされます。
 ちょっと役立つ地理のお勉強です。嫌がらずに見てちょうだい。
 ふつう地方の行政単位としては都道府県と市町村があります。でも北海道の場合は他の都道府県と比べて広いので何かと不都合があります。そこで道と市町村の中間に各地に14の道の出先機関があります。これが支庁とよばれるもので、14の支庁があります。
 天気予報もどういうわけかこの支庁を単位としてされることがほとんどです。この支庁でみると、函館の場合は「渡島」の天気予報をみなければなりません。稚内なら「宗谷」、帯広なら「十勝」です。室蘭は「胆振」の予報をみます。釧路、根室、網走のように都市名そのままの支庁名もあります。

 ちなみに14支庁は次の通り。読み仮名もつけておきます。

エリア支庁名よみがな支庁所在地主な都市、観光地
道南渡島おしま函館大沼、松前
檜山ひやま江差奥尻島
胆振いぶり室蘭登別、苫小牧、洞爺湖
日高ひだか浦河静内、襟裳岬
道央石狩いしかり札幌定山渓、支笏湖
空知そらち岩見沢夕張
後志しりべし倶知安ニセコ、積丹半島、ルスツリゾート
大雪上川かみかわ旭川美瑛、富良野、層雲峡
道北留萌るもい留萌天売島、焼尻島
宗谷そうや稚内礼文島、利尻島、サロベツ原野、宗谷岬
道東十勝とかち帯広サホロ、然別湖、糠平湖
釧路くしろ釧路釧路湿原、摩周湖、阿寒湖、屈斜路湖
根室ねむろ根室中標津、開陽台、野付半島、納沙布岬
オホーツク網走あばしり網走サロマ湖、知床
※「エリア」とは、このページでのエリア。ただし上川は旭川市以南は大雪圏、旭川市より北は道北圏として扱う。

冬の北海道って寒いの?
 どうしても冬の北海道は観光客が減少します。旅行者でも「次は冬来る」と高らかに宣言しても実際に来る人はそう多くはありません。やっぱり冬の北海道は寒いというイメージが強いようです。実際はどうでしょうか?
 北海道だろうが本州だろうが冬寒いものは寒いんです。人間の感覚は同じです。私の経験で感じるのは、むしろ雪国の方が寒く感じないように思います。
 また、北海道では暖房が発達しています。家庭でも本州のようにみみっちい石油ストーブだけなんてことはありません。ストーブも煙突式またはFF式で石油臭なんかしません。よっぽどボロな建物を除けば部屋の中は20度以上に保たれています。冬来てもずっと外にいるわけでもなし、実際には室内にいる方が多いのでしょう。北海道では冬場もビールの売上げが本州ほど落ちないそうです。むしろ北海道の人は本州の冬の方が建物の中とかずっと寒いと思っていて「向こうのホテルは寒い」なんてこぼしているほどです。
 ただスキーなんかしていると本州との違いがわかります。スキーは風をもろに受けますので、2時間ほどやってると顔の感覚がなくなってきます。相応な装備は必要ということです。

くまさん
 北海道にはヒグマというクマがいます。本州にいるツキノワグマより大きく獰猛なのだそうです。人間様の開拓に追われ、いる場所も限られてきました。しかし道南、大雪、知床を中心に穏然たる勢力を誇っています。かと思えば札幌近郊の山にも出るようですので注意に越したことはありません。特に山に入るのはクマの巣に行くようなものですから十分な注意が必要です。しかし見ようと思って簡単に見られる生き物ではありません。普通に観光している分にはお目にかかれることはそうそうないでしょう。安心して下さい。(ちなみに私は山の中でお会いしてしまいましたが・・・/羅臼湖のページを参照)
 勘違いしている人が多いのですが、クマは人間をたべるわけじゃありません。彼らは意外と小心者で人間が怖いのです。攻撃してくるのは防御本能です。
 まず必要なのはクマに遭わない努力です。山など出没が予想される場所に入るときは、カウベルを持つか、ラジオをかけるかして人間の存在を知らせましょう。クマは人間よりずっと早く存在に気づいて去ってくれます。
 それでも遭うときは遭います。その時は絶対に叫んだり逃げたりしてはいけません。クマが叫び声にびっくりして襲ってきます。またクマは逃げるものを追う習性があるので追ってきます。目をあわせたままそっと立ち去りましょう。至近距離であれば持ち物を少しずつ棄てて興味をひきつけて去るのも手です。それでも攻撃してくる時はその時はその時です。死んだふりはダメです。抵抗して助かった例もありますのでせいぜいがんばりましょう。無傷じゃすみませんが死ぬよりはいいでしょう。
 山に食べ物や飲み物のゴミなどは絶対に放置してはいけません。クマはそういうのが大好きです。寄ってきます。埋めてもダメです。クマは嗅覚が発達しているので掘り返されます。そうして人間の味を覚えてしまったクマは人間に近寄るようになります。そうしたらかわいそうですが駆除せざるを得なくなります。クマと人間の共存のためにも心ない行為は絶対に止めましょう。
 クマに関することは市販の本にも詳しいことが書いてあるようですので、興味のある方は調べてみるといいでしょう。
 ちなみに北海道の道を走っているとところどころに「クマ出没注意」の看板が立っています。適当に立てているわけではなく、過去に実際に出没したところですので、気をつけてね。行動範囲が広いので待っててもそうそう会えるわけでもありませんが・・・。

キタキツネ
 キタキツネってかわいい生き物だと思っている方も多いでしょう。キーホルダーとかになっているのってすごく愛らしいですよね。でも本物は時期によっては毛のはえかわりでボロ雑巾みたいな姿をしてたりもします。がっかりしないでね。
 キタキツネは道内に広く生息します。車を走らせていると車道のわきにちょこんといたりします。駐車場とかでは人に寄ってくることもあります。人慣れしている個体もかなりおり、それが余計にかわいらしく見えてついつい手を出す人も多数いるようです。。
 でも絶対に触ったりエサをやったりしないで下さいね。一般に餌付けは自然体を破壊することになるので好ましくありません。でもそれ以上に怖いのが「エキノコックス」という病気。キツネの相当多くはこの病原菌を持っているといわれ、接触で感染します。餌付けなんかしたら一発で感染しますね。自分が触らなくても、キツネにエサをやる彼女を記念撮影、なんてことをしてたらあなたの身にも降りかかってきます。
 潜伏期間が10年くらいあり最後には肝臓とか破壊されるそうです。本州では馴染みのない病気ということもあり、本州の病院では感染が気づかれにくいようです。発見が遅い場合、治療は非常に困難だそうですので気をつけましょう。触っちゃダメですよ。だから。

エゾジカ
 こいつも全道どこにでもいます。道路沿いにいることもよくあります。多発地帯には「動物注意」の標識がありますのであなどらずに安全運転しましょう。
 車で道内を走っていると彼らはなかなかやっかいものです。車がいてもおかまいなしで、ひどい時には向かってきます。そのためシカと車との接触事故は絶えず起きます。シカをはねたらもちろん彼らは即死でしょうが、車も相当なダメージを受けます。私の知り合いでもシカでバンパーがへこんだとか、サイドミラーがもげたとか、そういう話はいくらでもあります。
 シカに会ったらスピードを落として、事故を起こさないように努めましょう。また不幸にして事故が起きても車道の真ん中に死体を放置して逃げないで下さい。放置された死体に当たった車が路外に転落して死人が出る交通事故も実際に起きています。車道に死体があれば開発局のパトロールカーが片づけてくれますが、自分でひいてしまった時は警察か開発局かで適切な指示を受けるのが良識でしょう。下手に自分でやるのも事故に巻き込まれるおそれがあり危険です。(レンタカーの場合は事故証明が必要なので警察へ必ず届け出る)
 車だけでなく、列車とシカとの事故も多いです。接触事故で列車が遅れることもままあります。

北海道と交通事故
 北海道は交通事故死亡者数で例年トップに躍り出ます。北海道は一般道も条件がよくスピードを出しやすいので平均速度はかなり高いです。たいがいの車が速度超過で走っているのが現状で、事故がおきれば(他に飲酒とか明らかな原因がなければ)そのせいにされてしまいます。また生活における自動車依存度も高くなっています。このような特異な状況で原因もそのせいにすれば話が簡単なので、さも交通事故王国のような言われ方をしますが、実際どうなのでしょうか。
 北海道は東京から大阪くらいまでの各都府県がすっぽり収まるぐらい広域です。道路延長も当然長く、各自動車の走行距離の総積算も全国に比べればずばぬけて高いです。車の走行の一定割合でどうしても事故が起こると考えれば、そんなに事故率が高いとも私は思わないのですが。車の走行1キロあたりに占める事故の割合はむしろ総理大臣とか送り込んでいるどこぞの小県の方がよっぽど高いんじゃないかと思うのですがね・・・。
 とは言え、クマやエキノコックスにあたる確率より車にあたる確率の方がずっと高いです。クマやエキノコックスに気をつけている間に車に気をつけましょう。
 ちなみに夏と冬とでどっちが事故件数多いと思いますか? それは、夏です。春先から増加し、夏から秋にかけてピークを迎えるようです(道警資料による)。

冬道の運転
 北海道の冬道の運転についてですが、観光で来る人であえて必要のない人にはおすすめしません。やめた方がいいです。長野かどっかのスキー場に行くのと勘違いしてチェーン持ってくる人がいますが自殺行為です。北海道の道では冬も高速で車が動いています。夏よりはましですがそんなに大きな違いはありません。吹雪になればそれこそ大変です。
 と、おどかしてはみましたが、北海道の冬と長くおつきあいしたい方はいつかは考えなくてはいけないテーマです。誰だって最初は初心者です。ここでは簡単な心構えをお知らせしましょう。
 まず冬道への警戒が必要なのは、地域や年によってかなり違いがありますが11月上旬から5月上旬です。内陸部や長距離を走る方、峠道を越える方はもう半月くらいずつ早め・遅めで見ておけばよいと思います。根雪になるのはだいたい12月から3月まで。平地では根雪になるまでは大丈夫ですが、日により路面凍結することもあるので気は抜けません。
 この期間はタイヤはスタッドレスタイヤを使用します。チェーンはあくまで非常装備と考えた方がいいです。レンタカーの場合は冬季はスタッドレスタイヤが標準装備されています。ただしそれまでの間は会社によりいろいろですので、問い合わせた方がいいでしょう(特に長距離走る人は)。
 北海道では除雪が進んでおり、国道はほぼ99%完全に除雪されています。昼間は地域によっては道路も乾いてさも夏道を走るかのようなことも多いですが、日陰に凍結路面やシャーベット路面があったりするので無茶すると命の保証はありません。特に朝晩は凍結に十分注意したほうがいいです。行動しないで済むならそれに越したことはありませんが。雪がとけかけたシャーベット状の道も思いのほか足をとられます。また一部除雪がいい加減な道路に行くと氷で道ががたがたになっていることがあり、思わぬはずみで足を取られ危険かつ最悪です。
 圧雪路面もあります。豪雪地帯や吹雪後の道路、峠道、道道以下の道路に多いです。普通に走る分には大丈夫ですが、氷を踏んだり急ブレーキでも踏もうものならあっという間にスピンします。雪道では急ブレーキ、急ハンドルなど「急」のつく動作は危険です。いずれの場合もハンドル操作・速度に注意が必要です。
 その他、路面状況に注意して慎重に運転すればいいでしょう。ちょっと過信するとあっという間に路外に転落しますので気をつけましょう。ひと冬に見る転落車の数は計り知れません。まぁ2〜3度冷や汗をかくことがあればコツがわかって上達していきます。命や車を落とさない程度にいろいろ経験してみましょう。
 運転に不安を感じたら他の車に道を譲ってのんびり行きましょう。他の車に道を譲ることは恥ではありません。むしろ周囲の交通状況を省みない運転の方が迷惑ですし事故を誘発する危険な運転です。何台もの車を従えてノロノロ走っている車もたまにいますが、大名行列じゃあるまいしそういう周囲の交通状況に気を配る余裕もないような人に公道に出てきてほしくはありません。
 なお、行動計画には十分な余裕を持ちましょう。道路状況による遅延もありえるほか、吹雪で外に出られなくなるような日もたまにあります。余裕がないのは命取りです。旅の次の日に仕事なんてのは危ないですよ。冬は。
 その他、峠道の状況については、開発局の道路・峠情報なども参照して最新の情報を得るようにしましょう。北海道のテレビ・ラジオでは峠情報も細かく放送しています。たとえばHBCラジオでは30分〜1時間ごとに道路・天気情報を細かくやってくれ便利です。最新情報の確認はくれぐれも怠らないように。

北海道テレビ事情
 北海道旅行もしたいけどぉ、3度のメシよりテレビ!テレビが2チャンネルしか映らないようなド田舎には行きたくない!なんて人はいませんか?
 北海道では東京のキー局のテレビはほとんどすべて映ります。テレビ局も同じ数だけあるのです。よっぽど電波が届かないような山奥で仙人のような旅でもしたいのなら話は別ですが、そうでなければたいがいテレビは映りますので安心して下さい。(ただし宿がそもそもテレビを置いていないなどの個別の事例には関知しませんので悪しからず)
 参考までに民放のテレビ局一覧と対応キー局を載せます。NHKは別です。

テレビ局対応キー局備  考
STV札幌テレビ日本テレビ 
HBC北海道放送TBS 
UHB北海道文化放送フジテレビ 
HTB北海道テレビテレビ朝日 
TVHテレビ北海道テレビ東京一部映らない地域があります。下記注記参照
 ※チャンネル数は地域により違います。新聞で探してね。
 ※TVH(テレビ北海道)は道北・道東地域では入りません。
  ただし道東でも帯広・釧路(2000年2月から)周辺はケーブルテレビで入ります。

「内地」って何じゃい?
 このページのところどころに「内地」という言い回しが出てくると思います。さてこれは何でしょう?
 文脈の中でわかる方もおられると思います。これは北海道から見た本州地方のことを指します。
 でもなんでそう言うんでしょうね? これは開拓の歴史によるものだと思います。北海道は多くの先人たちの手でついこの100余年の間に開拓されてきた土地です。この地を開拓してきた人々は故郷を離れ、厳しい風土の中で土地を切り開いてきました。そのような中から出てきた言葉ではないでしょうか。ちなみに内地の対義語は外地、外国のことです。

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