小笠原諸島・南島
−−南の島の幻想をもとめて−−

1997年1月10日公開


撮影:1996年12月18日

 南島はサンゴ礁の隆起によってできた日本唯一、世界的にも極めて珍しい沈水カルスト地形の島です。その景色は幻想的であり、それゆえに小笠原諸島の中でも人気の高い場所のひとつです。かく言う私も3度行っています。
 南島へは父島からグラスボートや遊覧船、ボートチャーター等を利用します。公共交通機関はありません。南島を含めた各種遊覧コースは概ね5千円前後からあり、南島へ行くツアーは現地にけっこう多くありますので、行くルート探しに苦労することはないでしょう。「おがさわら丸」船内でも紹介のポスターがあります。
 南島への上陸はサメ池と呼ばれる入り江からが一般的ですが、この入口が狭く潮の流れによってはサンゴ礁に激突する危険があり、技術を要するところです。最近でもここで死人が出ているようです。近海は潮の流れも速いため、上陸できるかどうかはその日の潮の加減しだいです。冬よりは夏の方が上陸できる可能性が高いです。
 サメ池には、ネムリザメ(ネムリブカ)がうようよいます(私が行ったときは時期はずれで見あたりませんでしたが)。サメなので何も知らずに見ると恐怖ものですが、おとなしいサメだそうです。それでもむやみやたらに手を出すとその限りではありませんのでご注意を。
 サメ池からすこし岩場と丘を登ります。サンゴ礁が隆起してできた島なので岩場は刃物のように鋭利です。転ぶとケガしますので安定性のいい靴を。ハイヒールは論外です。岩にひっかかってそのまま動けなくなります。
 岩を登り丘を降りると5分足らずで幻想的な浜が見えてきます。ここが扇池と呼ばれるところです(写真)。写真はまだ色が十分出せていませんが、ここで泳ぐことができれば気分はさながら楽園です。オフシーズンで人が少なければプライベートビーチ気分も加わりもう最高です。冬でもちょっと肌寒いけどなんとか泳げる気温です。
 南島は特別自然保護地域に指定されており、そこらじゅうに落ちているヒロベソカタマイマイはもちろん砂一粒落ち葉一枚持ち帰ることはできません。ヒロベツカタマイマイは南島にいけばそこらじゅうに気持ち悪いくらい落ちていますが、それでも最近「ひとつくらいいいだろう」と持ち帰る観光客のため減少しているそうです。事実扇池の周辺ではだいぶ数が少なくなっています。昨今では南島への上陸禁止さえも議論されているようですので、注意しましょう。

小笠原のページのINDEXに戻る

TOP-MENUへ  アンケート  リンク

このページの著作権は、YANAPY に帰属します。 (C)1997 Copyright YANAPY